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WEB MAG #15 SDGs私募債って、なに?

皆さんは、SDGs私募債(しぼさい)って聞いたことがありますか?
SDGs私募債とは、持続可能な開発目標(SDGs)に関連した取り組みを支援するために発行される“私募債”の一種です。

まず、“私募債”とは何か? その基本的な仕組み

まず、企業が資金を調達するための方法は大きく分けて2つ。
「直接金融」と「間接金融」です。

「直接金融」とは、『お金を借りたい人』と『お金を貸したい人』の間に、銀行などの第三者が存在しない取引のこと。資金を必要とする企業や国などが第三者を介入させずに、国債・社債・株式などを発行して、必要な資金を証券市場を通じ直接貸し手(投資家など)から調達する手段です。
「間接金融」とは、『お金を借りる人』と『お金を貸す人』の間に、銀行などの第三者が存在する取引のこと。いわゆる「融資」など。企業が銀行融資で資金調達する取引ということです。企業や政府が、必要な資金を、銀行などの金融機関からの借り入れで調達するという手段です。

「私募債」は、直接金融の一つの手段で、特定の投資家を対象にして発行される債券のことです。
通常、債券は広く一般の投資家に向けて公開市場で販売される公募債と、限定された投資家に直接販売される私募債に分かれます。
私募債は発行手続きが比較的簡素であり、発行者(企業や地方自治体など)は特定の投資家から資金を調達するため、柔軟な条件で債券を発行できる点が特徴。また、私募債は公募債と比べて発行コストが低く、迅速性に資金調達できるというメリットもあります。

また、私募債は、一定の財務水準を有する企業によって発行されるため、いわゆる「優良企業」のみができる資金調達方法と言えるでしょう。


SDGs私募債とは

一般的に銀行が関わって発行する“私募債”は、「銀行引き受けの私募債」と言われるものです。
私募債は、債券を購入する投資家を自ら探す必要がある一方で、銀行引き受けの私募債は銀行が投資家を募集してくれます。そのリターンとして銀行側は、発行手数料というものを企業側から受け取るという仕組みになっています。

SDGs私募債とは、この仕組みを利用し、全国のいろんな銀行や信用金庫が扱う商品の一つ。
資金調達のために私募債を発行する企業から、私募債を受託する金融機関が受け取る私募債発行手数料から資金(発行金額の0.1~0.2%程度)を拠出し、SDGsに関連する団体などに寄付や寄贈を行う私募債商品です。
SDGsとは、「Sustainable Development Goals」の略で、貧困の撲滅や環境保護、教育の質の向上、ジェンダー平等の推進など、国連が定めた17の持続可能な開発目標を指します。企業がSDGs私募債を発行することで、投資家から調達した資金を、これらの目標に資する活動に充当することが求められます。

たとえば、再生可能エネルギー事業の拡大、環境に配慮したインフラ整備、地域社会の発展に寄与するプロジェクトなどが、SDGs私募債の資金使途として考えられます。こうした取り組みは、企業にとって社会的責任を果たすと同時に、持続可能な経営を推進する手段の一つとなります。

さらに、SDGs私募債は投資家にとっても魅力があるものと言えるでしょう。投資家は自らの投資活動を通じて社会的な貢献ができ、また、企業の持続可能性に対するコミットメントを確認できるため、長期的な視点での安定したリターンが期待されるという側面もあります。


院庄林業 SDGs私募債を活用し、津山の学校に寄附

院庄林業は令和6年6月、中国銀行のSDGs私募債「地域応援型」で5億円の私募債を発行。
その手数料の一部を『ふるさと岡山学び舎 環境整備事業』にて、岡山県立津山中学校・高等学校へ、院庄林業と中国銀行の連名で寄附しました。

この活用で支援するのは、地元・津山の教育。
SDGs目標の4である、「質の高い教育をみんなに」に繋がる支援を目的として行われました。
院庄林業が、地域社会の一員として、未来を担う子どもたちが学ぶ学校というものを、より良い環境にしていく一助になればと思っています。

8月26日、津山中学校にて寄贈式が行われました。

今回寄附した資金は、視聴覚室など教育環境のアップグレードに利用される予定ということです。

昨年にもSDGs私募債による寄附を行っており、その際はこちらのプロジェクターを購入されたそう。

津山中学校・高等学校では視聴覚教室のアップグレードを予定しており、今年の寄附金は、可動式机の購入に充てる予定とのこと。

津山中学校・高等学校では、課題の発見・解決に向けた主体的かつ協働的な学びを実践しています。
視聴覚教室は、ただ授業を聞くためだけでなく、活動的な学びを促進していくために環境整備を進めているそう。
自由に動いてグループワークができたり、ICT機器を使って自分の学びの成果を発表するなど、発展的な学びの場をつくっていくことを目指しています。

院庄林業は、地域の子どもたちの学びを支援していきたいという思いで、「SDGs私募債 地域応援型」の支援先を選定しました。
今までも植林基金や木育活動などを通してSDGsに関連する取り組みを行ってきましたが、今後は「地域の学校」に対する支援にも力を入れ、地域社会の一員としてますます貢献できるよう、取り組んでいこうと思っています!

寄贈式の様子は院庄林業Youtubeチャンネルにて公開中!!

中国銀行の津山市店長・常務執行役員の方、津山中学校の校長先生にもご出演いただき、今回の寄附に関すること、資金の使い方や、そもそも「なぜSDGs私募債」というカタチで支援しようと思ったのか、などなど関係者のインタビューを掲載していますので、ぜひご覧ください♪


全国でSDGs私募債を活用した取り組みが進められている

全国で、SDGs私募債を活用した支援活動が行われています。
地域の教育機関子ども施設、医療機関、動物園や水族館など公共施設への支援、また地域を越えて災害被災地への支援に充てるなど、その活用方法は様々です。
全国各地の地方銀行で、この取り組みは推進されており、支援の輪も広がっていっています。

院庄林業が今回SDGs私募債を活用した理由には、地域の教育に貢献したいという思いがありました。
通常の資金調達であれば、銀行からの融資による方法が一般的です。今回SDGs私募債を活用したのは、資金調達にも付加価値を高め、地域の企業と教育機関が一体となって発展する、そんな未来を目指しての取り組みです。

植林基金や木育活動など、環境や教育、地域社会への貢献をますます拡充できるよう、これからも院庄林業は様々な活動を通じて取り組んでまいります。